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2021年12月26日(日) 青栁幸利 『やってはいけないウォーキング』を読む

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 私もウォーキングをやっている者ですが、この本はウォーキングがいかに健康効果を発揮するのに絶大な影響を及ぼすかについて紹介しています。屋内での歩行も含めて1日8000歩歩き、20分の中強度の速歩きをすることで、要支援・要介護、うつ病、認知症、心疾患、脳卒中、がん、動脈硬化、骨粗しょう症の有病率を低くすることができ、高血圧症、糖尿病の発症率を下げることができるそうです。 なぜウォーキングをすると、健康になれるのでしょうか?それはひとことで言えば、「 体温を理想的にできるから 」。 平均体温が1℃上がると免疫力は約60%アップし、 平均体温が1℃下がると免疫力は30~40%低下する そうです。 「8000歩/20分」ウォーキングの目的は「平均体温を上げるため」といっても過言ではありません。「8000歩/20分」のウォーキングを毎日続けていれば、 2カ月であなたの「長寿遺伝子」にスイッチが入る という。 長寿遺伝子は、「究極の生活習慣」として「8000歩/20分」を毎日続けることで初めて目を覚ますという、ちょっと変わった遺伝子です。あなたの体内で眠っている長寿遺伝子を目覚めさせ、そして常に活性化させておくためにも、「8000歩/20分」のウォーキング生活を毎日続けましょう。 この本はウォーキングという運動習慣がいかに大きく健康状態に影響を与えるかを分かりやすく解説しています。健康とウォーキングに興味のある方は是非、ご一読をお勧めします。

2021年12月19日(日) KEN FOLLETT 『THE EVENING AND THE MORNING』を読む

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   主人公のエドガーはバイキングに恋人を殺され、家族とともに「ドレングの渡り場」に住み着きます。持ち前の器用さと船大工の技でボートを作り、畑を開墾し暮らしますが、あるときノルマンディからイギリスへ嫁入りしてきたお姫様のラグナと出会います。  ここからは波乱万丈の絵巻が繰り広げられ、二人は愛し合いながらも離れ離れとなり、エドガーもラグナもこれでもかというくらいの困難に出会い、陰謀と裏切りの連続を潜り抜けます。最後はハッピーエンドで二人は結婚するのですが、それまでの道程は戦いあり、策謀あり、騙しあり、殺人あり、新しい生命の誕生あり、橋の建設ありのスリルに満ちた物語が展開されていきます。895ページの長大な物語ですが、分かりやすい英語で書かれていて、読みやすい英文となっております。イギリスの暗黒時代後期とバイキングの襲撃を背景にした期間に興味がある方には是非、読んでもらいたい一冊です。  Miyoshi    1600円+税

2021年12月12日(日)  高野秀行  『アヘン王国潜入記』を読む

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   ビルマのワ州のムイレ村に著者が潜入して、村人に混じってケシ栽培をする模様が描かれている。村人と地元の酒、プライコーを飲み交わしたり、アヘンを吸ってアヘン中毒になったり、ケシ畑の草取りに精を出したり、「ガッ・ペン」というアヘンの液汁を採集する作業をしたり、ムイレ村初の学校でワ人の子供たちにワ語を教えたりと、ビルマのワ州の小さなムイレ村での生活模様が詳細に描かれています。ビルマの少数民族の生活実態を知りたい方には必読の一冊です。最後に本書から興味深い箇所を抜粋しておきます。「ところで、プライコーの宴会だが、この村の人間は最初の一杯めは、じいさんのほど長くはないが、やはりお祈りみたいなものを唱え酒を床に滴らせる。こんな習慣はほかの村では見たことがない。何を言っているのかアイ・スンに文句を教えてもらい、メモに書き留めた。意味がわからないところも多いが、明らかにこう述べているくだりがあった。『おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、お酒をどうぞお召し上がりください。そして、私たちに病気をもたらさないように。 私たちに死をもたらさないように』 意外なことに、彼らの『信じているもの』は精霊ではなく、祖先の霊だったのだ。まず、祖霊に酒を捧げてから自分がいただくわけで、基本的には日本人と同じである。 母親と子はほっぽらかされ、主は酒注ぎ係に徹しているのを見ているうちに、何となくわかった。当事者は祖霊に感謝し、また集まってくれた人びとにも感謝する。集まったほうも当事者を祝福するのではなく、当事者に恵みを与えてくれた祖霊に敬意を捧げるようである。」面白い外国滞在記です。是非、ご一読を!  集英社文庫    840円+税