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2022年9月25日(日) 中野ジェームズ修一 『最大効果のウォーキング』を読む

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   「理論的かつ結果を出すトレーナー」として数多くのトップアスリートやチームのトレーナーを歴任している中野ジェームズ修一がウォーキングのやり方を紹介した本。運動には「過負荷の原則」というものがあって、日常でやっている以上の負荷をかけなければ身体機能アップにつながらない。ウォーキングの時、「だらだら歩く」のではなく、「キビキビ歩く」ことが大切である。何歩歩いたかということよりも、負荷を考えた歩き方をするほうが大事。歩くコースに慣れてきたら、歩くペースを上げ、距離延長を考えてみる。距離だけではなく「ハードさ」という観点からもコースを考えられる。 歩くコースに慣れてきたら、歩くペースを上げ、距離延長を考えてみる。運動効果を高めるためにいいのは、階段や坂道のあるコースを設定すること。階段の上り下りなどは筋トレの意味を持つので、ウォーキングのコースに取り入れた場合には運動負荷をぐっと高められる。人間は座っているときより立ったとき、また、普通に立っているより片脚で立ったときのほうが脳の情報処理量が圧倒的に多くなる。歩くという動作も「片脚になる状態の繰り返し」なので、歩くだけでも脳トレになる。行動パターンの中にウォーキングを溶け込ませてしまうと習慣化しやすくなる。ウォーキングではスピードを上げれば上げるほど酸素消費量が上がる。時速7.5kmくらいにすると、ウォーキングでランニングと同じくらいのエネルギーが消費される。歩く速度をスピードアップして歩く距離を稼ぐ。心肺機能を鍛えるために「インターバルトレーニング」を加える。ウォーキングの場合でいえば、「3分ごと」とか「信号があるごと」に「ゆっくり歩き」と「速歩」を繰り返すようなやり方がいい。わたしはウォーキングを「習慣化」しているので、とてもためになった本である。  CCCメディアハウス 1400円+税

2022年9月19日(月) 椎名 誠 『ぼくの旅のあと先』を読む

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    探検小説家、椎名 誠による旅のエッセー。第一宿ではビール党の著者がどんなビールが美味いかを論じている。あと、世界の不味いビールについても書いている。第ニ宿ではなぜロシアのヒコーキの「ため込み式便所」の小便、大便が凍っていないのかについて論じている。あと、インドのヒコーキにニワトリを持ち込んだおばさんの騒動が描かれている。第三宿ではアリューシャン列島の西側にある「アムトチカ」という島で行った探検の様子が描かれている。第四宿では著者がサラリーマンをしていた頃行った、伊香保温泉での宴会の様子が描かれている。社の専務が踊る「ヨカチン踊り」の箇所は面白い。第五宿では「年末粗大ゴミ合宿」と呼ばれる合宿での福島の民宿における宴会の様子が描かれている。第六宿では中国、ロシア、ミャンマーでのイミグレーションの検査官の態度について論じられている。第七宿ではインドのガンガーでの水葬の様子やチベットでの鳥葬の様子が描かれている。第八宿ではアジアを流れる大河、メコン川を下りトンレサップで見た水上家屋の様子が描かれている。第九宿では1960年代の半ばあたり、著者が冬から春にかけて熱中していた雪山登山の様子が描かれている。第十宿ではモンゴルの草原での取材の様子が描かれている。取材もヤマ場を迎え、自由時間ができたので著者は馬に乗って一人での馬旅に出る。しかし、ひょんなことから落馬してしまい、馬に逃げられ歩いて自分のゲルに戻ることになる。何とも間抜けなモンゴル奥地での冒険だったのである。第十一宿では著者が考える日本三大国民食「ラーメン」、「カレーライス」、「牛丼」について論じている。第十二宿ではロマンなイメージがある南の島の厳しい現実や北の無人島でのキャンプの様子が描かれている。第十三宿では著者の子供の頃の自転車の乗り方の様子やカヌーでの川下りの様子や馬の乗り方についてや犬ぞりに乗った時の体験談について書かれている。第十四宿では著者が秋口から巻き込まれた不運についてのエピソードが紹介されている。そして、最後の第十五宿では旅先で読む本の素晴らしさについて紹介されている。いろいろなところに旅に出た著者ならではの力のこもったエッセーだと言えるだろう。皆さまにも一読をオススメします。 角川文庫 720円+税