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2022年2月24日(木) 中川淳一郎 『節約する人に貧しい人はいない。』を読む

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  本書は、「節約」を身体と精神に沁み込ませることにより、いかに穏やかで幸せな人生を送れるかを述べている。本書が伝えたいのは「金銭感覚は一定にしておけ。その方が何事もラクちんですよ」ということ。  『年収こそ、可視化された自分の価値であると考えることもバカげているということである。年収はあくまでも「その仕事に対して与えられた報酬」でしかなく、人間の価値とはまったく関係がない。  「家」という生活の基盤が高くなるとその周辺すべてが高くなり、貯金ができなくなる。  「見栄」こそ、低貯金をもたらす元凶だ。見栄など張って一体なんになるのか!無駄無駄無駄!であるっ。  生鮮食料品についてはスーパーに足しげく通うことにより、過度に高い時に買うことを回避できる。  草野球が趣味だった人間が、途端にゴルフをやったり、クルージングをしたりするようになるのは一体どういうことか?これは、単に「同じぐらいの収入を持つ人がその収入に応じてやるべきというイメージがある趣味」をやっているだけのことが多いのではないか。  都会に住んでいる以上、最強の移動手段は自転車である。運動にもなる自転車の活用が都会生活では最も合理的と言えよう。渋滞も関係ないし、カネもかからない。  収入を増やす算段がないのであれば、とにかく節約を考えなくてはいけない。  カネというものは他人とのコミュニケーションを成立させることにより、ようやく降ってくるものである。  本当に重要なのは「金銭感覚」というヤツなのだ。いくら収入が高くなろうとも、突然病気になったり、契約を切られたりクビになるかもしれない。そんな時に、「高収入だった時代の金銭感覚」のままであれば、貯金はすぐに尽きてしまうし、借金せざるを得なくなるかもしれない。プライドが邪魔をし、節約をせずますます借金がかさむかもしれない。「過去に大金だと思った金額」が低ければ低いほど、この「金銭感覚」はお安くなる。』  このように本書では「節約」の技術が分かりやすく述べられている。「節約」を考えている方には是非読んでもらいたい一冊である。  幻冬舎 1100円+税

2022年2月13日(日) 古賀良彦 『睡眠と脳の科学』を読む

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  7時間睡眠がいかに人間の健康維持にとって必要かを解説した本。睡眠時間が短くなれば、成長ホルモンをはじめとするホルモンの分泌が抑制されたり、サイトカイン、Bリンパ球などの免疫物質の働きが弱くなったりして、免疫力を低下させる。したがって、短時間睡眠者でもない人が、長期的に短時間睡眠を続ければ、体はさまざまなダメージを受け、その結果、死亡率が高まるのではないかと考えられている。逆に、寝すぎても死亡率は高まる。睡眠時間が長くなると、浅いノンレム睡眠が増加したり、レム睡眠の比率が乱れたりして、質の良い睡眠がとれなくなるからである。  睡眠とがんの関係   睡眠不足や良質な睡眠がとれていないと、免疫力が衰えて、がんが発症しやすくなるという研究が数多く報告されている。これは睡眠中に分泌されるメラトニンというホルモンの作用が関係している。メラトニンは催眠促進、免疫力、抗腫瘍作用、活性酸素の中和作用を高める作用を持つホルモンであり、体内時計の働きで、朝の光を浴びてから14~16時間後に血中濃度が高まる。メラトニンの分泌量の不足はがんを発症させる確率を高める。このように睡眠不足は健康の大敵なのです。皆さんも良質な睡眠をとって、日々の健康維持に頑張りましょう。

2022年2月6日(日) 高野秀行 『間違う力』を読む

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   著者が言うところの『間違う力』の①他人のやらないことは無意味でもやる②長期スパンで物事を考えない③合理的に奇跡を狙う④他人の非常識な言い分を聞く⑤身近にあるものを無理やりでも利用する⑥怪しい人にはついていく⑦過ぎたるは及ばざるよりずっといい⑧ラクをするためには努力を惜しまない⑨奇襲に頼る⑩一流より二流をめざすの10項目の信条を解説した本。「人の行かないところへ行き、人のやらないことをやり、それを面白おかしく書く」というモットーで二十年以上やってきた著者の分かりやすい文章でぐいぐい先まで読めてしまう。独特の生き方をしたい人にはオススメの本である。最後にこの本から興味深い箇所を抜粋しておく。「ほかの章の繰り返しになるが、どの世界もやったもの勝ちである。いくら猛練習を積んでも絶対に試合に出ない野球選手に価値はない。一流の素材より、二流のプロのほうがずっとマシである。最初から一流でなく二流をめざすべきとはそういう意味で、自分に言い聞かせているのである。」    角川新書  800円+税