2021年10月11日(月) 角幡唯介  『探検家の事情』を読む

  


角幡唯介『探検家の事情』を読む。探検の余話と探検家の日常を散りばめた読みやすいエッセーである。四十歳、不惑の年を迎えた探検家。その10年前の三十歳の時、新聞記者だった著者は「探検家にもどる」という決意の下、人生に大いに惑っていた。そして、四十歳を迎えた著者は市ヶ谷に住み、妻との喧嘩が絶えなかった。この喧嘩の原因は場所のせいだろうと考えた著者は、妻の勧めもあって、鎌倉に引っ越すことを考える。不動産屋との何回かの駆け引きの後、妻は鎌倉の物件を購入することを決定しかかる。しかし、家を購入することを恐れた著者は「川越でも高幡不動でもいいじゃないか。もっと安いのがあったよ」と言って、千葉県出身の妻をブチ切らせた。不惑になったのに、結局、惑っている著者を描いた<不惑>を始め、読みやすいエッセーが並んでいます。リラックスして読みたい方に向けた本。

文春文庫  690円+税 


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