2022年8月21日(日) 唯川 恵 『バッグをザックに持ち替えて』を読む

  


小説家、唯川 恵の山登りドキュメント。飼い犬のセントバーナード犬のルイが死んだことで始めた山登り。最初は頂上まで辿り着けなかった浅間山の頂上に立つまでのトレーニングの描写が面白い。そして、紅葉を見るために北アルプス穂高連峰に囲まれた涸沢カール(2300m)を目指す。そして、北八ヶ岳の蓼科山を目指す。そして今度は、八ヶ岳最高峰の赤岳を目指す。怖い思いをして登った赤岳の頂上から見た富士山は素晴らしかった。そして今度は、群馬と新潟の県境にある谷川岳を目指す。頂上から眺めた富士山、日本海、南・中央・北アルプスの稜線、浅間山の眺望は素晴らしかった。そして、「魔の山」「死の山」「人食い山」とも呼ばれる一ノ倉沢を見るためにトレッキングをする。そして、一ノ倉沢の全貌の大パノラマに圧倒される。そして、頂上には行けなかったけど、充実した山行となった硫黄岳登山。そして、前回の雪辱を果たすために再び硫黄岳に挑戦。そして、晴天で風も弱い日に気持ちよく硫黄岳のピークに立つ。そして、日本最高峰の富士山(3776m)に登る。そして、高山病の症状に見舞われながらも何とか日本最高峰の頂上に立つ。そして、初めての冬山登山挑戦。著者によると、冬山の美しさは格別なのだそうだ。浅間山にある草すべりから見た景色。真っ白な森、太陽の光を浴びて白銀に輝いている霧氷に覆われた木々。それはまさに百万本のクリスマスツリーである。そして、世界最高峰のエベレスト(8848m)見るためにエベレスト街道をトレッキングする。残念ながら高山病に罹ってしまったために、目的地のカラ・パタール(5545m)までは行けなかったが、予定を変更してナンガゾンピーク(5100m)に登ることで何とか標高5000mをクリアする。この本は著者の山への思いが熱く籠められた登山紀行です。是非、皆様にも読んでもらいたい一冊です。

 光文社  1200円+税

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